雨後の森と焚き火

文学のこと、音楽のこと、教育のことなどを書きます。

05.新入社員だったときの話

※今回はこのブログの趣旨とは異なり、ただの雑談みたいな記事です。

 

 

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春。年度をまたぎ、いつの間にか社会人3年目になっていた。

 

うちの会社でも昨日、入社式があり、新入社員へ向けて社長やら副社長やらが社会人としての心得みたいなものを偉そうに語っていた。(まあ実際偉い人たちなのだけど。)

 

しかし、社長たちには申し訳ないが、自分が新入社員だったときに入社式で聞いた言葉なんて何一つ覚えていない。あまり心に響かなかったのだと思う。

ちなみに、今年も社長たちの言葉は心に響かず、なんと1日寝たら忘れてしまった。

 

しかし、そういうスピーチで唯一覚えているものがある。それは、配属先での当時の課長の話だ。

 

課長は、

「本来、今日は新入社員へ向けて話す場なんですが、まずはじめに先輩社員に対してメッセージがあります。」

という前置きをして、先輩社員の方に顔を向けてから以下のようなことを言った。

 

「先輩社員の皆さんは、これまで社会人として色んな経験をしてきましたよね。時には苦しいこともたくさん乗り越えてきましたよね。それは本当に素晴らしいことだと思います。

でも、今日入ってきた新入社員たちが自分と同じような道を辿って成長するとは決して思わないでください。

もう時代は大きく変わっていて、今日の新入社員たちにとっての“1年目”は、私たちが“1年目”だったときとは全く違うものです。

だから、自分が若いころと照らし合わせて“新入社員ならこういうことをすべきだ”なんてことは絶対に言わないでください。」

 

その後、僕たち新入社員の方に顔を向けて、

「皆さんは、私たちの会社に新しい風を吹き込んでくれる大切な存在です。

みなさんの成功も失敗も、私にとってはすべてが財産です。

うちの会社に入ってくれて、うちの部署に配属されてくれて、本当にありがとう。

これから1年間どうぞよろしくお願いします。」

と言いながら深々と頭を下げてくれたのだった。

 

 

3年目になる今思い出しても、背筋が伸びる。

これからずっと4月になるたびにこのスピーチを思い出せたらいいな。